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2月24日(水)、今春に国会提出を予定している仮想通貨の新規制法案において、金融庁は資金決済法を改正し、ビットコインを「貨幣」と定義することを日経新聞が報じた。法案が通過すれば、日本はEU連合に次いで世界で2番目の貨幣認定国となる。ビットコインが貨幣と認定されれば、日本におけるビットコインの購入・売却に係る消費税が非課税となる可能性が高い。

EU諸国においては、EU最高裁で「ビットコインは通貨に類する」と判決が出されたことで、VAT(付加価値税)の非課税対象であることが明確化された。また、米国内においてもビットコインの取引を認可している州では原則売上税の免除対象とされている。シンガポールやオーストラリアなどの一部の国を除けば、売買に係る課税を認めている政府は世界的に見ても少ない。

日本ではこれまで、ビットコインは貴金属に類する「モノ」扱いであり、後に「価値記録」と新たな分類で定義されたものの、消費税の課税対象であることが政府の基本方針として発せられていた。金融庁はこれを「貨幣」の機能を持つと認めることで、昨今大きな盛り上がりを見せているフィンテック業界の成長を促進する狙いだ。また日経新聞によれば、今回定義される「仮想通貨」とは、物やサービスの決済手段に利用できる、法定通貨と交換することができる、のふたつの性質を持ったものに限られるとのこと。裏を返せば、企業は法定通貨と交換ができる(払戻し可能な)仮想通貨を作成できるということだろうか。

新法案では、FATF(金融活動作業部会)が6月に公表した「FATFガイダンス」を元に、犯収法をベースとしたマネロン・テロ資金供与規制および利用者保護のための取引所登録制の導入に向けた規制案が織り込まれている。昨今では、IBMやマイクロソフト、金融機関などによるブロックチェーン技術の活用検討が活発化しており、その一部を担う仮想通貨は、フィンテック領域での重要なポジションを築きつつある。